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HD映像はキレイだけど!?

2010.05.31

2011年の地デジ化に伴って、「地デジ対応テレビ」と言われてるテレビが普及しつつありますね。実際にアナログ放送とデジタル放送を見比べる機会も増えてきたと思います。人物だけでなく、テロップ要素も含めてキレイにハッキリと見えます。これは「アナログ」から「デジタル」になっただけの効果ではないのです。

映像だけで言いますと「画面サイズ」が違います。従来からのアナログ放送は「SD(スタンダード・ディフニッション/標準解像度)」と言われ、「720×486」の大きさでした。これに対して、デジタル放送は「HD(ハイ・ディフィニッション/高解像度)」と言われ、「1920×1080」や「1280×720」の大きさです。

この数値だけ見てると、そんなに大きく変わらないと思いますが…

■SD(720×486)の場合
「720×486=約35万画素」、1フレーム約1MBの画像データなので、1秒間で約30MBの容量です。

■HD(1920×1080)の場合
「1920×1080=約207万画素」、1フレーム約6MBの画像データなので、1秒間で約180MBの容量です。

画面サイズ比較

画面サイズ比較


※容量は非圧縮素材で比較した場合で、実際は圧縮コーデックなどで異なります。
※画像は「1920×1080」のフルサイズのものがダウンロード(GIF形式)できます。

と、約6倍のデータ量があります。これを同じ32インチのテレビに表示したとしたら、やはり情報量が多くて密度が高くなるHDの方が「高精細」になりますよね。

ただ、これは「制作・編集」にとっては良いことでは無い場合もあります。
最終的にキレイなものを納品できるのは制作者・編集者としても嬉しいことですが、ハンドリングする情報が多くなることは作業時間に直結します。

SD作業時は10分でレンダリングが終わったものが、HDでは情報量も6倍に増えるので60分になります。これは最終書き出しだけでなく、途中のチェックプレビューも一緒です。そして、時間だけでなくデータ容量も6倍(5分動画として、SDは9GBだったのがHDで54GB)とHDD容量を圧迫してきます。マシンスペックの処理速度だけでなく、HDD容量や再生時の転送速度も考えたりと悩ましいことが6倍増(独自調べ)です…。

なので「制作スケジュール」は余裕を見て進行することが必要です。

それに応じて「コストも6倍!」と言えれば良いのですが、簡単には言えないと思います。
ただ、「品質」、「コスト」、「時間」だけに捕われずガラクタではHD作業を押しています。そこまでして押す理由は、また別の機会に…。