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自分の言葉とフィールド

2009.06.15

myself

最近の生活の中で、ちょっと心がけていることがあります。
「できるだけ自分の言葉で話をすること」
「話を咀嚼するときに自分のフィールドで置き換えて考えてみること」
月並みですが、この2つです。

 

大学生のころ、友人がルパン3世のトリビュートアルバムを聴き、
「ルパンの主題歌を、名も知らぬ渋いおっさんが歌い上げている曲がある」と教えてくれました。
しかも、その曲が居並ぶ他のおしゃれアーティスト(FPMさんなど)を圧倒していると。
聞いてみると、場末のスナックで昭和歌謡全開に「るぱ~~ん~~」と歌っている風情で。
他のアーティストとは比較にならないほど味が出ていたのが、「横山剣さん」でした。

他人のモノを自分色に染め上げ、しかもエンターテインメントに昇華させる。
今にして思うと、そんな技が僕らをうならせたのだと思います。

 

最近は、そういったエッセンスに敏感なので、
昼食時に垣間見る「黒柳徹子さん」にもフォーカスが当たってます。
言わずもがなの名番組「徹子の部屋」です。
そこで繰り広げられるトークは、どんな大御所でも、どんな若手芸人でも、
見事なまでに「徹子色」に染め上げられ、その過程を含め、エンターテインメントしています。
きっと番組中の7割は、本来主役であるはずのゲストではなく、
「お部屋のご主人」で占められているはずです。

 しかし先日、その「お部屋のご主人」が、やや気圧(けお)されている相手を発見しました。
「浅香光代さん」でした。
今までは、ただの「劇団のおばさん」と思っていましたが、
出てくる気風(きっぷ)のいい言葉の数々、
時に扇子を出し入れしながら、その所作にアクセントもつけつつ、
「徹子の部屋」で芝居を打っている「役者さん」のようで、とても楽しかったのです。
やはり、自分のフィールドで命をかけて生きてきた人の言葉には、踊りがあるなと感じました。

 きっと、この中に「久米宏さん」なんかが入っても面白いだろうなぁと。
彼も、自分の言葉で、相手に聞きたいことを聞き、話したいことを話している一人だと感じます。

 

そんな中、「NEWSZEROのキャスターさん」はもったいないです、とても。
せっかくのチャンスであるにも関わらず、奥歯に何かが挟まったような物言い。
共演者が豪華なだけに、びくついているのでしょうか。
それとも、本人の性格の問題なのか、まったく言葉が響いてこないのです。
どこかにお伺いを立てながら、予定調和になるようなコメントを聞かされているようで、
もっと自分の言葉で、そして自分の経験で広がったフィールドから話をすれば面白いのに、と。
とても残念に思います。

 「黒柳徹子さん×浅香光代さん×NEWSZEROのキャスターさん」の対談があれば、
きっと、このキャスターさんはほぼ無言か、相槌と含み笑いだけでその場をやり過ごすでしょう。

 

私自身もまだまだ、このキャスターさんを強く非難できる身分ではありません。
WEBから離れ、不慣れな撮影現場などに出ると、言いたいこともなかなか言えず、
自分のフィールドの狭さも感じたりします。
しかし、伝えなければ進まず、理解も及ばず、必死にもがきながら進めます。

 自分の言葉で伝え、自分のフィールドで物事をとらえ、そして、そのフィールドを広げてゆく。
grktも、一歩づつ自分たちの足で広げてゆきたいと思います。

 

ちなみに、「徹子の部屋」を見ていた時の相棒の名前も「あさか」です。
現場仕事の際に、とても機敏にテキパキ仕事を進めるナイスガイです。

 

(画像)
左上から:横山剣さん/久米宏さん/テレ朝の小川アナ(すんげぇ音楽通で、驚き@深夜番組)
左下から:黒柳徹子さん/NEWSZEROのキャスター村尾さん/浅香光代さん